二月に入りました。
二月は節分もありますが仏教徒としてはお釈迦様が入滅しました二月十五日にお釈迦様の遺徳追慕と報恩のための法要として行う「涅槃会」を大切にしております。
お釈迦様は釈迦国の王子として生まれ、二十九歳で出家した後、三十五歳でお覚りをひらかれました。
それから布教・伝道の道を進まれ多くの衆生を救いへと導かれました。そして、八十歳で入滅=涅槃されました。涅槃とは梵語でニルヴァーナといいますが、一切の煩悩(ぼんのう)から解脱(げだつ)した、不生不滅の高い境地のことで、全ての苦しみから逃れた境地のことをいいます。
お釈迦様は自らの死が近くなると弟子に「アーナンダよ、このようにして、比丘は自らを灯明とし、自らをより処として、他のものをより処とせず、法を灯明とし、法をより処として、他のものをより処とせずにいるのである」と自灯明・法灯明の教えを説かれました。
これは、自らを拠り所とし、法を拠り所としなさいということです。
お釈迦様は「法」=「教え」の中で、自らの入滅後、「みなを救ってくださるのは阿弥陀仏の本願であるお念仏の教えである、この教えを広めなさい」と同じく弟子のアーナンダに伝えました。
お釈迦様は自ら覚ったこの世の真理のもとに、涅槃の境地へ到達されましたが、お釈迦様がいなくなってしまった今の時代ではその煩悩を消滅することはとても難しいことであると申されました。ですから、自らの力でなく阿弥陀様の本願のお力をいただき、まずは極楽浄土へ生まれ、諸菩薩様のご指導の下、その安らかな国で涅槃の境地を目指しなさいと勧められたのです。
忙しい今の時代、亡くなった後のことまで考え、毎日修行に励むことは難しいでしょう。
しかし、自らの苦しみの根源である煩悩は、修行なくして消滅することはできません。
煩悩は我々が意識するしない関わらず、知らないうちに生まれます。
まるで髪の毛が知らずに伸びるようなものです。
お念仏はいつでもどこでもだれでもお称えできます。
お釈迦様の忌日に南無阿弥陀仏のお念仏をお称えして追善供養を致しましょう。
合掌 南無阿弥陀仏