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5月のネット法話「端午の節句と子への期待」



五月になりました。


この三浦半島はゴールデンウィークとなると大渋滞。


中にはうんざりしている方もいるかもしれません。


しかし、子どもたちにとっては長期のお休み。


親も張り切ってお休みを満喫するべく旅行の計画を立てるものです。


そのゴールデンウィークには日本の伝統端午の節句があります。


現在は個人商店や個人で商売される方は減少し、 サラリーマンの親がいる家庭の方が多いでしょう。


しかし、それもここ数十年の話。


近年では個の時代とも言われ、 イエ単位で物事を考えることも少なくなりましたが、 古くは一家で一個の商売を持ち、 伝統や文化と共に親から子に継承されていくものでした。


端午の節句とはまさに、 この親から子への期待を込めて行われる日本の行事といえます。



平安時代には宮廷で行われていた端午の節句の行事は 鎌倉時代には武家により継承されていきます。


端午の節句につきものの邪気を払うとされ重宝された菖蒲の葉は、 武家では「尚武」つまり、武を尚(たっと)ぶと解釈され、 菖蒲の風習が盛んになり、幕府の祝日にもなりました。


この伝統は江戸時代に入るとさらに盛んになり、 のぼりに武者の絵や家紋を入れて賑やかにお祝いするようになります。


いつしか脇につるしていた鯉が、 「登竜門」(鯉が龍になる)という故事を含み、 大型化していくことで鯉のぼりができていきます。


いずれも子の成長と未来に期待を込めて行われてきました。


医療と住環境の発達から、 病や飢えで亡くなる幼子は少なくなったわけですが、


今でも親は子に期待を込めて五月人形やこいのぼりを飾るものです。


昨今、少子高齢化、人口減少、テクノロジーの衰退、円の暴落、限界集落、年金問題など 日本の未来について暗いニュースをよく耳にします。


子に期待を預けても、 日本自体がどうなっていくのかわからない。


そんな不安を抱えている方もいることでしょう。


そんな今だからこそ、 心の豊かさが大切であることに気づくチャンスなのかもしれません。


物質的な豊かさが保つことのできる心の豊かさの限界は見えています。


家族のつながり、友達とのつながり、 そういった周りの人との善いつながりが心の豊かさを作っていきます。


さらには、先祖からつながる血肉の縁への感謝の思いの中で、 我利我利の心から離れることができるものです。


人とのつながりやありがたさを伝えることができるのは 親、祖父母であるものです。


子どもや孫に、娯楽としての楽しさを与えてあげたい親心は当然ありながらも、 この大型連休にはお墓参りでご先祖様のお話をしながら、 地元の魅力を伝えてみてはいかがでしょうか。 



南無阿弥陀仏

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