「イダテン」という言葉は足の速い人の代名詞として使われているから言葉だけは知っている人も多いかもしれないね。
実は、元々は仏教の守護神になったインドの神さまの名前からきているんだ。
京都の泉涌寺には、 甲冑を身に付け腕に宝剣を携えた韋駄天様がその勇姿を誇っている。
韋駄天がその名を挙げたのは、 お釈迦さまが亡くなったときのことだといわれる。
人々は嘆き悲しんでお釈迦さまを火葬にしたが、 その遺骨(仏舎利)の中から一対の歯を盗んで逃げた鬼がいた。
このとき慌てるばかりでどうすることもできない弟子たちを横目に鬼を追ったのが韋駄天。
その快足を飛ばし、 この世の果てで鬼を捕らえ、無事お釈迦さまの遺骨を取り返した。
このエピソードが現代まで伝わっているんだね。
このお話は「涅槃経」の後分にある 帝釈天のエピソードがもとになっているといわれている。
また、韋駄天はお釈迦さまのために各地方々を走り回り、 大層な食事を用意した天部としても伝わる。
その食事が「御馳走」と言われたんだ。
そんなことから、 禅宗では韋駄天が台所の守り神として祀られていることもあるよ。
季節のもの、足で仕入れる遠方のもの、 そういった非日常の食事が御馳走だったわけで、 現代の御馳走とは意味が少し変わってしまっている。
文明の利器を知った我々には韋駄天のごとく走り回ることはできない。
ご当地物もお取り寄せで十分などという人もいる。
価値観が変化していく中でもものに対する感謝は忘れないでいたいものだ。
合掌
#走り回り探す有志
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