「うちはナムアミダブツ」
「うちはナンミョウホウレンゲキョウ」
そんな会話をよく耳にすることがある。
多くの人が自分の実家の菩提寺の宗派を知らないことが多いみたいだね。
日本には一口に「十三宗五十六派」があると言われてきたけど、
戦後の分派で独立し多くの宗派が作られた。
中には一つの寺院でも本山として宗派を建てたものもあるんだ。
それでも日本でとらえるところの宗の数は「十三宗」と変わっていない。
まず、奈良時代に中国から移入された「南都六宗」のうちの三宗、
すなわち華厳宗・法相宗・律宗が今日まで続いている。
平安時代に日本の僧侶に開かれたものとしては、
伝教大師・最澄による天台宗、弘法大師・空海による真言宗の二つがあるね。
平安末期から鎌倉時代には、
良忍による融通念仏宗、法然による浄土宗、法然の弟子親鸞による浄土真宗、
そして一遍による時宗が興された。
同じころに、栄西による臨済宗、道元による曹洞宗という禅系の二宗があり、
日蓮による日蓮宗がある。
そして江戸時代の初めに中国・明の僧侶、隠元によって禅系の黄檗宗は伝えられた。
これが十三宗だね。
戦後に宗派の設立が届出制になったことで現在では百六十派もあるみたいだよ。
そう考えると、
南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経だけでは判断できないね。
宗派はそれぞれ、経典の読み解き方が異なる。
何を大切にするのか。
自分のうちの宗派くらい知っておいてもいいのではないかな。
合掌