一般的には「お薬師さん」と言われるからどちらかわからない人もいるかもしれないね。
お薬師さんはその正式名称を「薬師瑠璃光如来」というので、れっきとした仏(=如来)様なんだ。
仏様になる前には菩薩という位にあるのだけれど、仏様はこの菩薩修行時代に例外なく誓いを立てる。
この誓いが成就されると仏になるとされているけど、お薬師さんの誓いは十二もあり、この誓いによって主に体の病気を治してくれる仏様として拝まれるようになったんだ。
その誓いの中にはこう述べられている箇所がある
「体が不自由だったり、生まれつきの業に悩むものも、私の名を聞けば必ず体が治り、病も消えるようにしよう。どんな名医・妙薬でも治らない難病は、私の名を聞けば必ず治るようにしよう」
現在のように医学の発達していなかった時代の人々にとっては、ありがたいお誓いであっただろうね。
だからこそ一般民衆も一縷の望みをもってお薬師さんを信仰したんだ。
鎌倉時代以降に信仰が薄らいだ時代もあったようだけれども、今でも厚い信仰を集める仏様だね。
お薬師さんの建てられたお浄土はその名前にも入っているように「東方浄瑠璃世界」とされていて阿弥陀仏の西方極楽浄土の反対側に位置するお浄土となっているんだ。
瑠璃はエメラルドやラピスラズリなどの青緑の宝石であるからそのカラーも青を象徴しているけど、昔の人々は日が沈む西方極楽浄土の夕日を生の先として心を傾け、陽が昇りくる青い空に一日を生きる力を得ていたのかもしれないね。
陽が昇れば陽が沈む。陽が沈めば陽が昇る。
繰り返しの毎日の中に全てが込められているんだね。
お薬師さんにもお願いして力をいただきましょう。
合掌