「枕経ってどんなお経ですか?」そんな質問がありました。
結論から言いますと「枕経」というお経はございません。
枕経というのは臨終(「亡くなる寸前」という意味)行儀の一環で、臨終のものを布団に寝かせ、枕もとで息を引き取るまで行う最後のお勤め(読経)やお念仏のことをいいます。
近年ではご家族より連絡をいただき、亡くなってから行う初めてのお勤めを枕経とお呼びしています。
故人が生前におかした、仏様の目から見た「罪」を故人の代わりに懺悔(さんげ)し、仏教の戒を授かっていない人には剃髪(ていはつ)の儀を行い戒をお授けします。
以前は臨終行儀、臨終勤行というものが大変盛んでした。
愛する人がこの世から旅立とうとしている今この瞬間に、仏様の教えをいただき、また、阿弥陀様の功徳をいただき、愛する人には素晴らしいところ(極楽浄土)にいってもらいたいと、必死に行ったものです。
近年では、病院やホームで亡くなる方も多く、枕経も満足に行えない場合が多いのも事実ですが、愛する人のためにと最後にできる孝行の一つとしてしっかりとお勤めしたいものです。
もしもそのような機会がございましたら遠慮せずにお寺までご連絡いただけると幸いです。
南無阿弥陀仏
Comments