「お稲荷さんって狐さん?」
おいなりさんは一般的には、 油あげに包まれたいなり寿司をのことを指すね。
さらに「キツネと言えば油揚げ」が日本人の共通認識かもしれない。
神仏でお稲荷さんと言えば日本中どこにでも見られる神さまのことをいう。
語源としては稲が実(な)るという意味からこう呼ばれたという説もあるけど、 これほど日本中に広まったのは、農業の神さまとして人々に祀られたためなんだね。
ではこのお稲荷さんとキツネが混合されるようになったのはなぜだろう。
キツネは農事の始まる頃から収穫の終わる秋まで人里に姿を見せ、 田の神が山へ帰られる頃に山へと戻っていく。
神と同じ時期にキツネが行動するから、 いつの間にかキツネが神の使いとされるようになった。
また、お稲荷さんの本当の姿は仏教を守る守護神とされ、 その守護神が茶枳尼天(だきにてん)と呼ばれるインドの神で、 その姿は白狐に乗っていた。
このことから、いつの間にか一般民衆の間で、 稲荷大神のご祭神とキツネが混同して理解されてしまったわけだね。
そして、油揚げがなぜキツネなのか。
古くは鼠が農業の敵だったんだけど、 そのネズミをキツネが退治してくれていた。
このキツネと農業の神との混合から、 お稲荷さんにはネズミの揚げたものをお供えしていた。
それがいつしか、油揚げとなり、 この油揚げはキツネの好物と言われるようになり、 油揚げをキツネと呼ぶようになったという。
いろいろと話が混ざっているのだね。
でも浄楽寺でも毎月一日はお稲荷さんに油揚げをお供えしているよ。
これぞ日本の文化かもしれないね。
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