「相手を立てる心」
あいさつの「挨」は「押すこと」、「拶」は「迫る」という意味を表す。
元々中国では
「押し合いながら前に進む」という意味で使われていた。
しかし、日本に入ると挨拶は、
もとの中国語の意味から「お互い研鑽して自分を磨いていこう」という意味でつかわれるようになった。
また、禅宗では門下の小僧に声をかけ、悟りの深さを試すということも「挨拶」といった。
いわゆる禅問答である。
そういった背景から前向きな人間同士の
ぶつかり合いの意味を含め「挨拶」という言葉を使用していた日本では、
やがてその切磋琢磨が一般化し「礼儀」を示し
「言葉を取り交わす」という意味が含まれ始めた。
ここで初めて、今の日本で使われる挨拶となったわけだ。
相手への敬意や愛敬を持っているという意思表示となる挨拶。
コミュニケーションの入り口と出口で必要であることは言うまでもない。