今では様々な埋葬の形が増えているから
石を用いないことも増えているけど「お墓」というと石のイメージが強いね。
お墓のルーツを考えてみよう。
そもそも、お寺の近くにお墓が作られるようになったのは西暦八百三十年前後の頃で死者がお坊さんの読経によって仏になる(成仏する)という考え方が定着してからのことなんだ。
これより以前では、死体は自宅の近くに個々に埋葬されていたこともあるんだよ。
この頃から、埋葬したところの上には石が置かれていた。
古事記に由来する神道の考え方(千引岩)によるもので、「墓から、死霊が祟って出ることがないよう(この『祟り』という考え方が仏教とは異なる)に、重い石で上から押さえつけた」のだろうと言われている。
また、土葬であった当時は動物に掘り起こされないように思い石を用いたともされている。
仏教が本格的に日本に入ってからは、火葬が盛んになり、江戸時代に入るとお墓には石塔が建てられるようになったんだ。これは、お釈迦さまのお墓「仏舎利塔」にならったもので、お釈迦様と同じように供養する尊い行いとしてお墓に石を使うようになったということだね。
様々な理由から石を用いてお墓が作られてきたわけだけれど、今では散骨や樹木葬など供養の仕方にも多様性が見られる。
「必ずお墓を作らなくてはいけませんか?」と聞かれますが、
自分が納得のいくご供養の仕方を考えるべきではないでしょうか。
そして大切なのは、この世での命を終えた後、
どこを目指すべきなのかということ。
お墓の中より暗い地獄を目指すのか、極楽を目指すのか。