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副住職

御忌


2月に入りました。

新年が明けてからすでに一カ月が過ぎたということです。

ぼーっとしていますと一年があっという間に過ぎてしまいそうです。

気を引き締めてまいりましょう。

皆様は浄土宗の師であります宗祖法然上人の御命日はご存知でしょうか?

ご遺訓であります一枚起請文を書かれた二日後ですから一月二十五日が御命日であります。

この法然上人の御命日は、天皇家の御命日の呼び名同様に「御忌」とお呼びします。

これは後柏原 (ごかしわばら) 天皇が浄土宗総本山知恩院第二十五世超誉存牛(ちょうよそんぎゅう) 上人に「知恩院は、浄土宗の根本道場であり、宗祖入滅の霊跡であるから、毎年七日間、ここで御忌を勤めよ」というおふれを出しました。

以来、法然上人の忌日法要を特に「御忌」と呼ぶようになりました。

このように僧侶の忌日法要が天皇と同等とされるのは法然上人に限ります。

それほどまでに法然上人は世の人々に必要とされ、大切にされてきたことがうかがえます。

法然上人以前は皆さんの想像するところの厳しい修行を毎日行わなくては死後の世界に明るい未来はありませんでした。

修行を行ったとしても誰しもがということではありませんでした。

法然上人がお釈迦様のお言葉の中に「阿弥陀仏が作られた西方極楽浄土に行くにはお念仏を称えるだけでよい」を見出しお勧めになってくださり、民衆にも極楽への道が開かれました。

当時は何をするにもお念仏、だれもがお念仏を口にしていたといいます。

後柏原天皇も「心だに 西に向はば 身の罪を 写すかがみは さもあらばあれ」

わが身の罪がいかに多いか、鏡にはすべて映しだされようが、われはひたすら望

む、心だけでも浄土を目指そう。

と詠っておられます。

時がたつにも鈍感な我々ではございますが、

心だけは先祖様の待つ極楽浄土に定めましょう。

南無阿弥陀仏

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