今月の法話「法然上人御忌」


浄土宗の元祖法然上人の忌日法要を「御忌(ぎょき)」といいます。 御忌といいますのは、本来皇族の忌日法要のことをいいますが、大永四年(一五二四)、 後柏原天皇が知恩院第二十五世超誉存牛上人に「 知恩院 は、浄土宗の根本道場であり、宗祖入滅の霊跡であるから、毎年七日間、ここで御忌を勤めよ」という「大永の御忌 鳳詔 (ほうしょう) 」を出したことから、以来、法然上人の忌日法要を特に「御忌」と呼ぶようになりました。本来、天皇家の忌日法要のことを言う「御忌」が一般人の法然上人の為に勤められるようになったというのは類を見ない功績であり、いかに法然上人が説かれた「お念仏の御教え」で救われた人が多かったかということのあらわれでもあります。 法然上人は幼いころ目の前で父親を失いました。あだ討ちが当然であったその時代に、父の「あだ討ちをしてはいけない。僧侶になりなさい。」という遺言により出家し、救いの道を求めて修行に励みました。しかし、修行をすれど学べど、父への愛情や、憎き敵(かたき)への憎しみは忘れることができませんでした。仏となる修行はすべての執着を解かなくてはなりません。「そんなことは私にはできない…」そんな自らを理解した法然上人だからこそ、誰でも救われることのできる阿弥陀様の本願「お念仏の御教え」をお伝えになることができたのでしょう。「愚痴に還りて浄土門」自らの至らなさを知って初めて心の底から阿弥陀様に頼ることができます。人と人の関わりも同じでしょう。自分のほうが優れているという高慢の心では人に助けを求めることはできません。我々は年老いて病になる身です。素直になり、身の程を知り、豊かな人生を送れるよう、お念仏のある生活をいたしましょう。     合掌 南無阿弥陀仏

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