【阿弥陀三尊が「運慶展」へ!】
10月19日の浄楽寺十夜法要を終えて、昨日阿弥陀三尊様が東京国立博物館へ向かいました。
今回の出陳は賛否両論ありましたが、運び出すときに台座に虫が発見されるなど、保護の上でも貴重な機会になってきております。
浄楽寺のお仏像はあくまで本尊様。
祈りの対象である上では誰が作ったのかは重要ではありません。
初期仏教の目線ですと、よく「偶像崇拝」のようにいわれることがあります。お釈迦様も像を建てることは薦めてはいませんでした。
しかし、この教えだけが残る「末法」の時代において、我々は心の禅定を保つことも、戒律を満足に守ることもできません。
頭の中でイメージして祈るということが誰しもできることではないのです。
ですから現代では物事の道理をあるがままに受け入れる「覚る(さとる)」ということができないの
です。
お仏像はあくまで現存佛である阿弥陀様への南無阿弥陀仏のお念仏を進めるため。
偶像ではなく実在佛である阿弥陀様を祈るために、能力の低いわれわれの助けとなるわけです。
今、横須賀市で浄楽寺の尊像を「国宝指定」として認定されるために多くの人が動いています。
それは、横須賀市が抱える問題を解決するため。
観光客の増加や、認知を広げるため。
浄楽寺としても多くの方に参拝いただき、観光で終わることなく、一歩進んで仏教との出会いの場として、
より多くの人が救われる教えをいただける場として、違う目的ながら同じ方法論を掲げました。
今回、「運慶展」を通してさまざまな出会いがあり、周りの人たちの意識改革も行われ始めております。
変わらぬこと、変えてはいけぬことを守るために、適合すること、順応することを前進として考え行動していきます。
昨日、阿弥陀三尊が東京国立博物館へ向かいました。
本日より公開されております。
阿弥陀様の光背が表に出陳するのは初めてのことのようです。
この光背があるのとないのではイメージがまったく違います。
「運慶展」最大サイズのお仏像だということです。
美術品としての運慶仏をお楽しみいただくのも結構です。
しかし、ご本尊であるということをお忘れなく、合掌一礼をしてからご参拝いただきたいと思います。
明後日より収蔵庫改修工事が行われます。 引き続きクラウドファンディングのご支援のほどよろしくお願いいたします。
「鎌倉時代より伝わる日本一有名な仏師運慶作の仏像を後世へ!」
浄楽寺収蔵庫改修プロジェクト!
https://a-port.asahi.com/projects/jorakuji/