秋の彼岸会
- 副住職
- 2016年9月23日
- 読了時間: 4分
雨続きの日が続きます。
今年は夏も夏らしからぬ夏でしたが、
秋に入ったと思うと、台風がまとまって頻繁に発生し、
もうすでに2週間もの雨の日が続いております。
先日、秋の彼岸のお中日に「彼岸会」を開催させていただきました。
今回も、前回の盂蘭盆会に続き2回目にはなりますが、
30分ほど法話をさせていただきました。
今回の題目は法然上人のご遺言であります
一枚起請文から
「ただ往生極楽の為には南無阿弥陀仏と申して
疑いなく往生するぞと思いとりて申す外には
別の仔細候わず」
という一句を題目にあげさせていただきました。
この一句はともかくありがたい言葉です。
諸行は助業であり・・・
等という難しい話は置いておいて
ただお念仏を称えればいいのですという
法然上人の核心に迫る優しさであふれるお言葉です。
なので、今回は「聖道門」「浄土門」の2門について、
また、勝易の念仏についてお話をした後、
にお彼岸の意味、先祖代々の「命のバトン」について、
合わせてさわりだけですが達磨上人のお話をお借りして
「空」の心理についても少しふれました。
30分のお話にしてはかなり盛り沢山な内容ではありましたが、
お檀家の皆さんもうなずきながら聞いてくださり、
本堂が寺子屋の様になった気がします。。
(もちろん来て下さった皆様は人生の代々大先輩です)
その後、「何か質問はありますか?」
とお聞きしたところ、3つの質問をいただきましたので
その質問と回答を載せさせていただきます。
※回答はあくまで私の言葉で返させていただきました。
質問①
Q「阿弥陀様とお釈迦様は違うのですか?」
A阿弥陀様は我々を極楽浄土に導いてくれる仏様で、
西方極楽浄土をお建てになった方です。浄土宗においては
本尊でございます。
また、お釈迦様はこの世界にて我々に阿弥陀様について教えてくださった方です。
お釈迦様がいて、法然上人がいなければ我々は極楽浄土への救いの道について
知ることはできませんでした。
阿弥陀様はもとは、法蔵菩薩という菩薩様でありましたが、世時在王が・・・
と話が長くなりましたが、阿弥陀様とお釈迦様は違います。
Q師匠と弟子ですか?
A師匠と弟子ではありません。しかしお互いに繋がっております。
質問②
Q「我々は浄土宗で南無阿弥陀仏というお念仏を大事にしています。
他宗においてもお念仏は称えることありますが、どういうことでしょうか?」
A「宗派とはその経典、法への解釈が異なることで生まれました。より優れているのはこの解釈だ!
と他宗でいうところの教相判釈でありますが、また、解釈が違うということで目的への道のりにも
違いが出てきます。本日お話した、「聖道門「浄土門」がまさにそのお話でもあるのですが・・・
浄土宗においては浄土門。まずは浄土に往生しましょうということです。ですのでお念仏を一番
大切にしています。ひたすらお念仏をお称えします。他宗でもお念仏を称えることがありますが、
これは浄土宗と全く同じお念仏かと申しますと、違います。他州ではお念仏を一番に大事にしては
おりませんし、極楽浄土に生まれるために~という強い思いの中で称えるお念仏ではありません。
あくまでとりあえず、というところです。浄土往生を一番にしてはおりませんので、そう表現でもい
いのかと思います。とらえ方が違うだけで、同じお経を引用することもありますので、そういうことがあります。」
質問③
Q「我々浄土宗はお念仏です。神社、他宗のお寺、キリストのお墓、葬式にお参りした場合、
どのようにすればいいのでしょう?そこの宗派、習わしに習えばいいのでしょうか?」
A「それはよく聞かれることですが、どこに行っても南無阿弥陀仏で結構です。
お葬式などでもいろんな宗派のお葬式に立ち会うことがあるかと思います。
結婚式にしてもしかりです。表面ではそこの習わしに従ったとしても心の中で
お念仏をお称え下さい。もちろん、神、仏が喧嘩するということもありませんので。
ただし、宗教に関することというのは今の時代にとってデリケートなことが
あるのも事実です。わざわざ大きな声でお念仏を称えるようなことはしなくて
もいいでしょう」
以上のように回答させていただきました。
皆さんが十分に納得されたかはわかりませんが・・・
以上、彼岸会のお話でした。
次回は十夜になります。
浄楽寺の十夜は10月19日。
今年も御開帳がございます。
ぜひ足をお運びください。
合掌