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執筆者の写真副住職

7月のネット法話「人の縁は姿勢一つで良縁となる」

更新日:2022年8月12日



梅雨はいづこへ…。


一気に猛暑となり、日本中で熱中症の方が急増しているようです。 皆様も体調管理にはお気を付けください。


熱いと言えば神奈川県内では参院選が盛んになってきています。

皆さんも選挙には参加されることと思いますが、誰に投票したのか? これは言わないお約束となっていますね。


「酒の席では野球・宗教・政治の話はするな」などとも言いますが、 口論を生むことにもなるので、言わない方が得策とされているのかもしれません。


我々人は、誰しもが「私は正しい」「私は間違っていない」 という強い意志を持つことがあります。


考えがあるのは個性ですからとても素晴らしいことです。 しかし、 自分の思いを無理やり相手に押し付けて口論になることはいいこととは言えません。


仏教では、それでは真実にたどり着けないと説かれます。


仏教の説話に「盲人の言い争い」というものがあります。


ある王が統治していた国がありました。 王は仏教に帰依し聡明な人でした。 しかし、その部下は邪教を信仰していました。


考えを改めさせるために考えた王は「国中の盲人を連れてきなさい」 と部下に命じました。


そして王は「この者たちを像のところに連れて行き、触らせてあげなさい」と命じます。


あるものは象の尾にさわり、あるものは鼻に、またあるものは腹に、 牙に、耳、足に触りました。


王は「みんな象に触れたね。では象とはどういうものか聞かせてくれないか」と言うと、 それぞれが王に説明し始めます。


「王様、それは竹筒のようなものでした」「いいえ王様、箒のようなものです」 太鼓のようなものです、角のようなものです…


それを聞いた王は「仏の真理を知らぬことは、目が見えないのと同じことなのだよ」と言いました。


真理を知らぬ者たちは我こそ善と言い募る。


「偏狭な一部分しか見ず、全てがわかったような気持ちでいてはいけない。 仏の広く深い教えを学び、正しい目を持ちなさい」と伝えています。


象を触った人たちは、自分の見解ばかりを主張するのではなく、 得た感触を持って総合すれば、象の全体像に近づくことができたのではないでしょうか。


自分の意見を押し付けるのではなく、 相手の意見も聞き入れる中で何が最良なのかを考える。


これこそが人の協力であり、豊かな智慧の探求であります。


姿勢一つでつながりは良縁にも悪縁にもなりえるのです。


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