お彼岸を過ぎ、春の風が吹き始めますと、 お釈迦様のご生誕のお祝い「花まつり」の時期がやってまいります。
花まつりは灌仏会、仏生会とも呼ばれ、 当日の4月8日前後に世界中でお祝いが行われています。
日本ではあまり有名とは言えませんね。
日本人には仏教の教えが常識や道徳の基礎に しっかりと根付いているのでクリスマスだけじゃなく、 その恩恵をいただいたブッダのことも気にかけて 花まつりも楽しんでお祝いしていただきたいところです。
そんな思いから、昨年より浄楽寺で始まったのが「大楠はなまつり」です。
浄楽寺の境内や本堂で出店やライブを行い、 音と花と食で盛大にお祝いします。
従来通り、花御堂に誕生仏を祀り、 甘茶かけでお祝いすることもできます。
昨年からは水受けに手向ける献花もご用意いたしました。
「ハッピーバースデーブッダ」を合言葉にぜひお参りください。
さて、お釈迦様はお生まれになった際、すぐさま立ち上がり、 七歩歩いて立ち止まり、右手を天に、左手を地に向け、 「天上天下唯我独尊」と言ったと伝えられます。
この七歩には、輪廻し苦しみをさまようその世界、 六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天)を超え、 七つ目の極楽浄土に往くという意味が込められているといいます。
まさに、阿弥陀仏を紹介し、その教えを継承(附属)したのはブッダ本人であります。
そして、天上天下唯我独尊とは、 直訳すると「我、あらゆる世界の中でただ一人尊い存在である」となります。
しかし、この「我」を、ブッダを人の象徴として「我=すべての人」とすると、 「すべての人はそれぞれが産まれた瞬間から、 世界でただ一人の尊い存在である」ととらえることができます。
これを大テーマとして、大楠花まつりでは、 すべての人に向けて「みんな尊い!共に頑張ろう!」 という応援ができればと思っています。
それぞれに様々な事情があるので、 人は、必ずしも望まれて生まれてくるばかりではないかもしれません。
それでも、先祖さまからすれば愛しき存在であり、 祝福されて生まれてくるはずです。
もうすでに尊い存在であるからこそ、 自分のためだけに生きるのではなく、愛する人のために、 自分を生かしてくれる社会のために広く貢献することが大切なのではないでしょうか。
それが、意義ある人生なのだと古くより言われてきました。
「自分には何ができるのだろうか」 自分だからこその「これで」を見つけることができれば、 きっとまっすぐに努力していけるのでしょう。
阿弥陀仏は自分の「これで」を 「自分の名をとなえるものを極楽に救うこと」と決められました。
南無阿弥陀仏のお念仏で名前に込められた代修の功徳をいただき、 必ず導かれることを約束してくださいました。
その祈りに、願いに応え、800余年、様々な人が救われ、 極楽に住まわれていることでしょう。
いつか向かう極楽に思いを向けながら、
自分の「これで」は何なのかをしっかりと考えて日々を生きていくためにも、まずはブッダのお祝いをしに花まつりにお参りくださいませ。
合掌
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