昨年より始まりました。
浄楽寺の大地の再生です。
大地の再生とは環境再生の手法を学び、傷んだ自然の環境再生施工と、この手法の研究・普及啓発をテーマに活動している方々です。
私たち人間は、利便性の高い暮らしを求めて、森を支える自然地形を壊し、生きものの拠り所であった大地を傷めてきました。
人工的に地形を変えることは、水脈と土中の空気の流れを変え、植物層を変え、やがては周囲の気候さえ変えてしまいます。
特に水脈は大地の要であり、分断されてしまうと様々な環境破壊を起こします。
そこで彼らは、依頼のあった地域に赴いて分断された水脈・地脈をつなぎ直し、 その土地の自然と人間の共存を目指す環境再生施工を行っています。
11月24・25日の2日間、大地の再生(関東)が浄楽寺の整備に入りました。
きっかけは、収蔵庫の裏手にある、前島密翁のものと思われる茶室を復元し、郵便の父の菩提寺で手紙を書くという企画からでした。
いざ、里山の整備に入ってみると驚くような状況だということがわかりました。 里山が死ぬ寸前だったのです。 浄楽寺のコンクリートで固められた境内は、土地の水脈を分断し、空気の循環を遮っていました。
山の土は固くなり、木は深くに根を張れず、最後の砦のつるは異常なまでに太くなり山を守っていました。
このままでは、地滑りが起きてもおかしくない状態だということです。 本堂の脇の池は滞留した泥や落ち葉がヘドロになり、メタンガスを発生させていました。
この状況を知り、定期的に整備が行われることになりました。
この二日間では天穴をあけて、火を焚き地中の空気の流れを活性化し、その付近には水脈を作り、再生力を高める施工を行いました。
また、茶室までのけもの道を切り開き、各所に天穴をあけて水が走るのを防ぐ施工も行いました。収蔵庫の脇から茶室まで登っていけるようになっています。
竹で作った器で豚汁。絶品。
高台にある茶室。今後、前島密記念館として再生予定。
これからも整備に入ります。
大地の再生は講座形式で行われ、 その技術や知識をいただくことができます。
次回の告知も致します。 皆で大地を元通りにしていきましょう。